この記事を読んでいるあなたは、全くの初心者で釣りを始めようと思っているけど、
- 何から始めればいいの?
- どんな釣りがあるの?
- 自分の趣味として釣りはやれるのかな?
- 家族や友人とのキャンプやドライブのついでに釣りをやってみたいけど?
・・といった理由から情報を集めている方だと思います。
何かやりたい釣りが見つかっていれば、そのやり方を探せばいいので比較的簡単に情報が集められると思いますが、そもそもこれまで釣りに全く興味がなかった初心者がいざ、釣りをやってみようと思ってもなかなか最初の一歩が踏み出せないのではないでしょうか?
釣りを始める年齢やタイミング、理由や動機は人それぞれ。そしてまた、人の数だけ釣りの楽しみ方があり、あなたに合った釣りも必ずあります。
この記事を読んで頂いた事により、あなたに合った釣りと楽しみ方が見えてくれば幸いです。
はじめに
「釣り」を始めるというのは、魚を釣らなければいけませんよね?
確かにそうなんですが、「釣りをする」ことと「釣りを楽しむ」ことは、必ずしも一緒ではありません。まずは「魚を釣る」というところから少し離れて考えてみて下さい。
もちろん今この記事を読んで下さっている方には、「キャンプで釣りがしたい。」とか「子供と一緒に釣りがしたい。」などの目的を持っている方もおられるでしょう。
そのような方もまずはこの記事を読み、自分に合った釣りを探してみてください。その上で、”キャンプでの釣りに活用する”、”子供と一緒に釣りを楽しむ”という事を考えていくとことをお勧めします。
何から始めればいいの?
何かを始めようという時は、まずは情報収集から始めると思いますが、ここでは「釣り」に関する情報収集をするための「手段」と「コツ」を紹介します。
インターネットで調べる
とても手軽で知りたい情報が簡単に手に入りますが、インターネットの情報を活用するにはコツがあります。
どのサイトを見て情報収集しているかにもよりますが、”今、どこで、何が釣れているか”、”これからやろうとしている釣りが、その時、同じように釣れるか”ということは自分で判断することが「コツ」になります。
たとえプロ(磯渡しの渡船、釣具屋、遊漁船等)が営業目的で運営してるサイトであっても、掲載されている情報のまま今現在も同じように釣れているとは限りません。その情報は「釣れた」という事実ですが、「あなたにも釣れますよ」という意味ではないのです。
釣りは、どこかのサイトで「釣れている」とか「釣れる」などという紹介をしていても環境条件で釣果に大きな差が出ます。
例えば、「釣れている」という情報を見て数日後に行ってみたら全く釣れていなかったり、同じ漁港で釣りをしていて数m横の釣人は釣れているのに、自分は全く釣れないなど良くあることです。
インターネットから便利に活用できる情報は、下に列挙したように「事実」のみです。事実の量が豊富であることが強みですが、間違いである情報や古い情報を見極める「コツ」として整理しましたので参考にして下さい。
釣り道具の種類や値段
- 事実
道具の種類、名称など - 情報の見極め
- 情報がアップされた日時や更新日時をチェックして、新しいモデル商品なのか古いモデル商品なのかを確認しましょう。インターネットの情報は、新しいモデル商品の宣伝より、古いモデル商品の在庫一掃が目立ちます。
- 釣り道具は敢えて古いモデルを安く入手するのも良いですが、雑誌等で見た新しいモデルを入手するつもりで同じような型番の商品を注文すると前の古いモデルだったりという事もありますので気を付けて下さい。
釣りたい魚が釣れた実績がある場所の情報
- 事実
対象魚の生息場所と釣れる時期(シーズン)、釣りが出来る場所 - 情報の見極め
- 時期的に釣れるシーズンでも、様々な諸条件で釣果は変わる。(釣れることを保証する情報ではない。)
- またベテラン好みのマイナー釣場の情報はほぼ無いと言っても過言ではないため、穴場的な釣場の情報を期待するのは難しいでしょう。
釣りの予備知識(釣り糸の結び方やあれば便利な道具など)
- 事実
全て事実 - 情報の見極め
情報提供者の主観が大きい。(本当に自分に合った情報なのかを判断)- 例1:糸の結び方
本当に自分に合った結び方?もっと簡単に結べるやり方で良いのでは? - 例2:便利な道具
自分に本当に必要?気を付けないと使わない道具だらけになりますよ。
特に購入が必要な物は、実際に釣りをしてから判断するのが良いでしょう。
- 例1:糸の結び方
一般的なマナー
- 事実
一般的なマナー - 情報の見極め
一般的なマナーを知っていれば大きな間違いになることは少ないが、釣りは地方によってマナーやルールがあることが多いです。事前に釣具屋等で聞いてみるか、現地で釣りをしながら学ぶ姿勢を忘れないようにしましょう。
釣れる情報を推測するための各種情報
- 事実
気象、潮流と海水温、近傍水域でのプロの釣果情報やSNSなど。 - 情報の見極め
- 気象・潮流・海水温
事実だが自分で判断するのは初心者には困難 - プロの釣果情報やSNS情報
その情報元と全く同じ条件(時間、環境、道具、テクニック)であれば同じように釣れるが、そんなことはまずないですよね。アツい情報もあるかもしれませんが見極めが必要です。
- 気象・潮流・海水温
よく聞く言葉かもしれませんが、事実以外の情報を鵜呑みにしないことが大切です。
釣り経験者に教えてもらう
釣り初心者が最も効率よく釣りを知り、釣果を上げるのは釣り経験者に教えてもらうことでしょう。しかしこれも、ちょっと注意しておくべき事があります。
釣りを教えてくださる相手は、たぶんとても親切丁寧に教えてくれます。釣りのことを全く知らない初心者が、自分がやりたい釣りのイメージを持たずに取り敢えず教えてもらうと、やってから何か違うことに気付き、相手の好意を無駄にしてしまう可能性があります。
具体的に言うと、餌釣りを教えてもらってそこそこ楽しかったものの、そもそも餌に触るのが苦手だったり餌の匂いに我慢出来なかったりすると、次に誘われても迷惑に感じてしまいます。
または自分は格好いい釣りファッションの釣りを始めるつもりだったのに、職人肌の地味な釣りにどんどん引き込まれても、気付けば何となく違うような感触でいつかは教わった相手と疎遠になってしまいますよね。
この記事ではこの後に、色々な釣りスタイルを紹介していますのでご自分がどんな釣りをしたいのかをしっかりイメージしてみて下さい。そしてその釣りを周囲の人でやっている人がいるのであれば、初めて教わるようにした方が良いでしょう。
釣りはそれぞれ色々な道具が増えていきますし、必要な豆知識や掛ける費用も違ってきますので。けっこう面倒臭いものです。
教えてもらう釣りが自分のスタイルに合った釣りでないと、本当に自分がやりたい釣りに出会うのに余計な労力を費やしてしまいます。
雑誌等書籍で情報収集する
雑誌などの書籍であればインターネットと共通する情報が得られます。また一般的な書店や釣具屋でも置いてありますので、初心者が釣りを始めるには最も手に取りやすい情報源かもしれません。
そのメリットは、
- 表紙などから自分の好みのイメージの釣りを見つけやすい
- 流行がわかりやすい
- 釣りメーカーが力を入れている道具や釣りジャンルの情報がひと目で分かる
- 様々なプロを見ることにより、初心者に有り難い目標を見つけやすい
とにかく情報のインパクトが強いことが特徴ですが反面、
- 広告に乗せられやすい
- 絶対釣れると思い込みやすい(初心者に不向きな情報が多い傾向がある)
というデメリットもありますので注意して下さい。
釣具屋へ直接足を運ぶ
釣具屋では、地元の情報として貴重な情報が掲示してあるお店が多いです。また店員さんも釣りが好きな方ばかりなので、直接話しを聞くと色んな情報を共有してもらえます。
初心者でこれから始めるつもりであることを正直に申し出ればしっかりとしたアドバイスも貰えるでしょう。
釣具屋によってはホームページなどで情報発信しているお店もありますが、これに関しては上の方の「インターネット」で紹介した通りです。
プロが営業目的でホームページを公開している情報であることを念頭に置かないと、騙される訳ではないでしょうが営業目的に乗せられる可能性はあります。
またホームページの運営を自分達でやっているお店が多く、決して得意ジャンルでないことから情報が古いことも多々あります。
釣具屋の店内では、地元の釣果情報として「釣場情報」と「釣れた情報」が掲示されています。これを頻繁にチェックし、新しい情報だと釣果に結びつく貴重な情報があるのは間違いないですが、ちょっと気を付けるべきことがあります。
「釣場情報」は店員さんの開拓ポイントなどがありますが、実績情報であることを理解しましょう。行って直ぐその通りに釣れればラッキーですが、過度な期待は禁物です。
また「釣れた情報」がメジャーな釣場の情報であれば、既に釣人達で大混雑していることも考えられます。
いずれにしても釣具屋さんでは直接顔を見て情報を得られるので、積極的に店員さんと話して情報を確認するのが良いでしょう。
釣りを始める前に知っておくべき事
上の項目では釣りを始めるための情報収集方法と注意点などについて紹介しました。あとはこれで自分のスタイルに合った釣りが見つかれば「よしっ!やってみよう!!」という事になりますが、ちょっとその前に知っておくべきことを2つに紹介します。
1つは準備に関する基本的こと。もう一つは釣場での一般常識(マナー)に関することです。
準備のために必要な道具
釣りを始めるのに必要な道具は次の項目に区分できます。
必ず必要な道具(タックル)
必ず必要な道具(タックル)には下の表内のものがあります。釣りの対象魚、釣法、釣り環境、仕掛けの種類などに応じて様々な種類があり、自分がやりたい釣りが決まったら改めて情報収集する必要があります。(下表は基本的な意味をまとめたもの。)
やろうと思った釣りが特殊な釣りでない限り、初心者はある程度いろんな釣りに汎用できる(一つの道具で他の釣りに代用できる)ものを用意することをお勧めします。
ロッド |
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リール |
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ライン |
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仕掛け |
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タックル以外に必要な道具
タックル以外で必要な道具は、釣りの種類により違ってくるので一例を下の表に挙げます。
玉網(タマアミ又はタモ) |
リールを巻いて寄せてきた魚を掬う網。大きな魚を釣る釣りでは必ず必要。アオリイカなどの場合や使い勝手によっては、鉤爪で引っ掛けて魚を取り込む別の道具(ギャフと呼ばれるもの)を使っても良い。 |
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クーラーボックス 釣った魚を持ち帰るために必要ですが、これ以外にも釣場へ飲み物や食べ物を持ち込むために使用します。氷も忘れずに。
水汲みバッカンとロープ
手や魚を洗ったり、釣り竿を置く三脚の重しにする。
ポリエステル製のバッカンと別売りで必要な長さのロープが釣具屋で必ず売られています。
上記の他にも始めようとする釣りに応じて必要な道具がありますので、個別に情報収集する必要があります。特に必ず準備とまでは言いませんが、救命胴衣はどんな釣りでも着用しておくことをお勧めします。
あれば便利な道具
あれば便利とはいうものの、考えようによっては準備しておくことが望ましいものを紹介しておきます。新ためて買う必要もなく、どこの家にもあるようなものなので持参するようにして下さい。
タオル | 汗を拭いたり、手を洗ったり、餌を触ったり、魚を絞めたりと、何かとよく使います。多めに携行しましょう。軍手もあれば便利です。 |
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ハサミ | 釣り糸を切るのに使用します。釣り糸は絶対に歯で噛み切ろうとしたり、手で引きちぎろうとしてはいけません。怪我をします。 |
包丁(ナイフ) | 魚を締めるために使用します。釣りによってはその場で捌いてしまう事もあります。 |
ゴミ袋(ビニール袋) | 釣場で出たゴミを入れたり、使えなくなった仕掛けや針、糸などを持ち帰るのに使用するほか、釣った魚をクーラーボックスに直接入れない時に使います。 |
着替え、防寒着、雨カッパ | 釣場では突然の局所的な雨に遭遇したり、風が強く体感温度が下がったりすることが良くあります。甘く考えないで用心した準備をしていきましょう。 |
釣りマナーのこと
釣りマナーは、地方によって多少の違いはあるものの、要は良識を持った行動を取れば問題ありません。しかし釣りのマナーに関しては知っていないと失敗しがちな事がありますので、しっかり覚えておきましょう。
またマナーとはいうものの、安全に直結する大事なこともあります。現地に住んでいる方とのトラブル、釣り人同士のトラブル、安全に関わるトラブル等、無用なトラブルにならないように良識を持ってマナーを守りましょう。
- 挨拶
釣りは隣で釣っている人へは何かと迷惑を掛けてしまう事が多々あります。釣場での先行者がいたら挨拶をし、もしすぐ近くで釣りを始めるなら「ここで釣らせてもらってもいいですか?」と了解を得てから釣座を構えるくらいの気遣いをしましょう。 - 餌釣りとルアー釣り等、種類の違う釣りは要注意
餌釣りは静かな「待ちの釣り」、ルアー釣りは頻繁にルアーを投げたり、竿を振ってルアーを操作したりする「動の釣り」です。先行者と違う釣りをすることは努めて避けましょう。どうしても同じ場所で釣りをする必要がある場合は先行者の了解を取り、かつ迷惑にならないよう相手の状況をよく確認し、細心の注意を払って釣りをするべきです。
- ゴミは持ち帰る
釣場を汚さないマナーであるとともに、釣場に釣り針や釣り糸を残すと他の釣り人に大怪我を負わせたり、現地の環境や生態系に与える負の要因は非常に大きいものがあります。たかがゴミと思う気持ちは捨てて、釣りが終わったら来た時よりも綺麗にして帰るくらいの気持ちを持ちましょう。
- 駐車違反
釣場近くの住民の方へご迷惑を掛けないようにすることも非常に大事ですが、これもまた安全に直結する大事な事です。釣場に駐車出来ないところでは、少々歩いても安全かつ法令違反にならない場所に駐車しましょう。 - 救命胴衣の着用
私も釣りをしていて見ていると、まだまだ救命胴衣の着用率は低いと感じています。私はフローティングベストタイプの小物ポケットや雨カッパ用ポケットなどが付いているものを着用していますが、ガス自動注入式のコンパクトなものも売られています。安全を確保して有事に多くの人に迷惑を掛けないようにするのみならず、通ぽく格好を付けるつもりで良いものを着用しましょう。(もちろん安いものでも着用しないよりは良いですよ。)
どんな釣りがあるの?
釣りの種類を全て上げるととんでもない種類になります。ここでは初心者が釣りを始めるにあたり、一般的な釣りの種類の導入的な事だけを紹介します。
下の枠内に釣りの種類を思いつくだけ挙げてみます。気になった釣りの種類をコピペで個別に検索するのに使ってみて下さい。何も論理的な区分をせずに適当に挙げてみただけなので、同じ事を違う言葉で記しているものもあります。
・投げ釣り・ウキ釣り・フカセ釣り・ミャク釣り・ルアー釣り・ハードルアー釣り・ソフトルアー釣り・ワーム釣り・渓流釣り・鮎の友釣り・ポカン釣り・サビキ釣り・ジギング・ショアジギング・エギング・アジング・ナマジング・バス釣り・雷魚釣り・怪魚釣り・遊漁船釣り・磯釣り・港湾釣り・海釣り・川釣り・ウキルアー釣り・垂らし釣り
あれ?意外に思い出せない(笑)・・まだまだ色々な釣りがあるのですが。
では次に、ちょっと論理的に区分して挙げてみます。
釣りの種類
釣りの種類は大きく大別すると、餌で釣る釣りと、疑似餌で釣るルアー釣りとに区分できます。ここから釣りは大きく進化し、対象魚や釣りの環境などによって様々な釣りへと派生しました。
餌釣り
人類が初めて釣りをしたとしたら、恐らく餌釣りなのでしょう。餌釣りを釣法によってざっくり区分してみると、
- 投げ釣り
主に砂浜などの海釣りで行われる釣法。針に対象魚に応じた餌を付け、錘(オモリ)を付けた仕掛けを竿で遠投し、魚が餌を針ごと口に入れるのを待って釣る釣法餌を付けて投げるだけということと、仕掛けがセットで売られていることから初心者にも始めやすいと一般的には言われている。
- ウキ釣り
ウキ釣りはその名の通り餌を付けた針の上にウキを付けることにより、魚が餌に食いつきやすい水深に調整して餌を吊り下げ、魚が針に掛かったら浮きにより察知できるというもの。ウキを含む仕掛けをセットで購入できるので初心者でも決してハードルは高くない。港湾での海釣り、池釣りなどで水流がない場所で使用される釣法。
- ミャク釣り
渓流釣りに使用される釣法。川の流れに沿って餌を流して魚を釣る。竿からの糸にあらかじめ目印をつけておいて、その目印を頼りに川の中に流れる餌の水深を調整する。
イメージし難いと思うので少し詳しく説明します。
【渓流釣りの手順概要】
- 釣場となる渓流の水深や魚の隠れていそうな岩場などに応じ、釣り針に付けた餌を流すルートと水深を判断する。
- 狙ったルートと水深に餌が上手く流れるようにするため、小さな鉛のオモリ(ガン玉)と、糸に付ける目印の位置を調整する。鉛のオモリは重さ又は個数を加減し、糸につける目印は2~3箇所で調整する。
- 調整後、竿を振って餌を上流側に落とし流れに乗せる。餌は水流に沿って流すため、この餌を落とす位置が餌を流すルートのスタート位置となる。
- 水中にある目印と水面より上にある目印を見て、餌が流れている水深を判断し、必要に応じて竿先を上げ下げして調整する。
- 餌が概ね糸の長さの範囲まで下流に流れたら餌を水中から上げる。
- 上記をオモリの調整やルートの修正をして繰り返し、魚の反応がなければ次のポイントへ移動する。
竿、糸、針など使用する道具や仕掛けが非常に細く小さな繊細なものではあるが、よほど指先の作業に自信がない限り、この点では初心者がこの釣りを始めることに特に支障とはならないでしょう。
しかしながら釣りの準備の他に、山に入山する準備や知識も必要であるため、ガイドとなる経験者がいないと初心者にはハードルが高くなる。特に熊対策などを真剣に準備する必要がある。
餌釣りは初心者にも始めやすいイメージがありますが、そもそも餌である虫などを触ることが苦手な人には向かないでしょう。
ルアー釣り
ルアーとは、金属、木、プラスチックなどの素材で作られる疑似餌のことです。ルアー釣りの起源は、むかしイギリスでピクニックをしていた貴族が食事用のスプーンを誤って池に落とした所にトラウト(マス系の魚)が反応したことであると言われています。
また日本では、かなり昔から木でエビか魚を模した疑似餌を作りイカを釣っていたということがあるが、この疑似餌がルアーにあたる。(この釣り方は現代のエギングという釣りに継承されています。)
そのルアー釣りは、餌釣り以上に多彩な釣りへと派生しており、釣りの対象魚一つに対しても数種類のルアー釣りが確立されており、次の区分で情報収集して調べるのが良いでしょう。
- 釣ってみたい魚から調べる
- 釣りをする場所(海、港湾、磯、川、池、湖など)から調べる
- 船、ボート、カヤックなどの特殊な釣り環境から調べる
私のこのサイト内でも、色々な釣りを紹介していますので是非参考にして頂ければと思います。
初心者向きの釣り
初心者向きの釣りとして良く紹介されているのは、「餌釣り」の「投げ釣り」でしょう。初期投資が比較的少なくて済むし、取り敢えず釣りの基本のようなイメージからだと思います。
確かにそれも理解できますが、そもそもどんな釣りでも知ってしまえばその釣りが自分の基準となるため、「餌釣り・投げ釣り」以外の釣りを始めるのに躊躇する必要は全くないと私は思います。ましてや今は、インターネットで簡単に必要な情報を得ることが出来ます。
どんな釣りでも最初は初心者です。初めての釣りを探すのに重要なことは、これより下に紹介した自分のスタイルに合った釣りを探し、取り敢えずやってみることです。
なぜ「取り敢えずやってみること」なのかというと、初心者がなかなか釣りを始められない大きな理由がここにあるからです。
【初心者がなかなか釣りを始められない理由】
今の時代、釣りを始めるための情報はインターネットで簡単に入手でき、お金さえあれば準備も容易にできます。
しかし昔と違い、子供の頃から友達と釣りをするといった機会が減り(学校によっては休日に子供だけで海や川へ近づくことを禁止しているところもあります)、大人になっても身内や友人で釣りに気軽に誘ってくれたり教えてくれたりという人間関係の機会が非常に少なくなっています。
しかも、ウィンタースポーツや他のスポーツのような初心者講習的なものもほぼありません。(ダイワという釣りメーカーが少しやっています。)
これがネックとなっており、釣りをやってみたいと思い始めた人がなかなか釣りの第一歩を踏み出せなくなっています。釣りは一部の特殊な釣りを除き、始めてしまえばそんなに難しいものではありません。必要な情報はインターネットで容易に入手できます。
ですから、準備が出来たら取り敢えず釣りをしてみて下さい!
一旦始めれば、色々とまた分かってきますので心配は不用ですよ!
自分の趣味として釣りはやれるのかな?
この記事の冒頭でも述べましたが、「釣りをする」ことと「釣りを楽しむ」ことは、必ずしも一緒ではありません。
もちろん、釣りを始めたい初心者の方がこの記事を読んでくださっているので釣りをすることは第一義なのですが、言いたいことは、同じ釣りでも様々なスタイルがあり、このことを知ることで自分に合った本当に楽しい釣りに出会えるということです。
よってほとんどの方が釣りを趣味として満足できることになります。(極端な例を言うと、船でのルアー釣りの一種であるジギングなどは今流行りの筋トレまで出来てしまいます(笑))
釣りたい魚種重視スタイル
釣りたい魚がいるから釣りをする。どんなにお金がかかっても、どんなに時間が掛かっても、1年や2年に1回しか釣行できなくても、狙った魚種だけを狙い続ける。苦労した末に釣った喜びを至高の喜びとする。
私は初心者として鮭釣りを始めてから2年間(2シーズン)一匹も釣れませんでした。初めて鮭を釣った時の感動は文章じゃ表現しきれませんが、興奮で全身が震え鮭の重厚な引きに圧倒されながらリールを必死に巻いていたのを思い出します(笑)
いま住んでいる地方では、船での釣りで金属製の疑似餌でマグロを狙っている人達がいます。数年前まではなかなか釣れていませんでしたが、最近ではみんながコンスタントに釣っているブログを目にします。
何も大物ばかりが狙いではありません。アオリイカ、カレイ、ヒラメ、アジ、チヌ(クロダイ)など、シーズンに応じて狙う魚を変えている人、好きで狙っている魚のシーズンしか釣行しない人、それぞれのスタイルで釣りを楽しんでいます。
また川釣りや湖、池などの釣りでは、ブラックバス、アユ、ナマズ、イワナ、ヤマメなどをはじめ、海でも川でも釣れるシーバス(スズキ)、チヌ(クロダイ)など海釣り川釣りのジャンルを超えた魚狙いの釣りもあります。
釣りたい魚を一つ選択するだけでも様々な釣りがあるため、自分に合ったスタイルの釣りを探すのにも幅が広がるでしょう。
やりたい釣り方重視スタイル
やりたい釣り方にこだわって釣りをする。餌釣りでやれば確実に釣れるのにルアー釣りにこだわったり、船に乗れば確実に釣れるのにあえて陸岸から遠投釣りで狙ってみたり。
私が北海道でやっていた鮭釣りでは、「餌釣り」「投げ釣り」「ウキ釣り」「ルアー釣り」「ウキルアー釣り」「フライフィッシング」など、あらゆる釣り方で狙う釣りもあります。
魚種はある程度特定しますがそれよりも道具や仕掛けであったり、服装などにこだわるので、やりたい釣り方重視スタイルの釣りは、釣れるまでの過程に楽しみと意義を見出すスタイルと言えます。
多くの釣り人がまさにこの楽しみ方を実践しています。
「決まった魚種を釣ることにこだわる」人も、「ある釣り方にこだわる」人も、まずは情報収集と研究、そして投資を惜しまないことから始めるでしょう。釣れる前に、すでに釣りを楽しんでいるから。
シチュエーション(環境・時間)重視スタイル
シチュエーション重視スタイルとは、「仕事の疲れを釣りで癒やす」「家族との時間を楽しく過ごす」「仲間との交流の場」というように、釣り自体よりもその時間の使い方や普段との環境の違いに身を置くことを重視するスタイルです。
一人でもアリですし、もちろん気心知れた仲間や家族とキャンプやドライブを楽しむ釣行になるでしょう。ひょっとしたら釣りはメインではないかもしれません。私は4~5日くらいかけて車中泊をして四国一周、北海道ほぼ縦断くらいはしたことがあります。
北海道をほぼ縦断した時は、一人で網走漁港で鮭釣りをしていて釣れないから海岸線の漁港沿いに稚内経由で抜海漁港まで移動、襟裳岬近くのとある漁港で釣りをしていた友達から釣れている情報が入り旭川、帯広市内を抜けてその漁港まで行きました。ドライブや車中泊が好きだと苦にならないんですよね。この時はもちろん爆釣でした(笑)
四国を一周した時は、一匹も釣れないボウズでした。でも当時やっていたアメブロで知り合った友人と会って歓迎を受けたり、立ち寄る先々で地元の方に声をかけていただき、魚釣りには来ているが、さっぱり釣れなくても満足できる時間を過ごせる、忘れられない釣行になりました。ちなみに四国釣行で狙った魚種は、アオリイカとアジで、それぞれエギング、アジングというルアースタイルの釣りでした。
遠征でなくても家の近くの釣場、安い道具、適当な服装、釣り方も余りこだわりないどころかロクに釣り方も知らない。これでも大丈夫というか全然アリです。自分にしかわからない楽しみ方をしている釣りでいいんです。
ただし釣場に応じたルールやマナーは必ず守り、自分も周囲も気持ちよく過ごさないと全く意味がなくなりますので気を付けてくださいね。
道具(タックル)こだわりスタイル
道具(タックル)こだわりスタイルとは、道具を集めることに喜びを感じるスタイルです。趣味というと〇〇コレクターといった趣味がありますが、これは釣りにも当てはまります。
下の写真はかなり前ですが、私の自宅部屋の一角です。釣りの道具って、コレクション欲が刺激されてディスプレイしたくなるんですよね。コレクター心を理解してくれる方、多いですよね?(笑)
釣り道具はどんな釣りでもピンからキリまで、こだわりだすと際限がなくなります。
また昔とは違い、今の道具はセンスのいい、かっこいいタックル(釣り道具)で溢れています。大抵の釣り人は何らかの形で釣り道具を飾ったり、見えるように収納しているのではないでしょうか。
初めて釣りを始めるという人も、なんでもいいやといって道具を揃えたあとは、必ずと言っていいほど直ぐに良いタックルを揃えるようになります。
先に買った安いタックルも、メインタックルが壊れた時のための予備とかなんとか自分に言い聞かせて買ってしまいます(笑)
このようなスタイルでも釣りは楽しめますし、道具にこだわる方は自然と釣りの知識も増えていくのでハマりだすと直ぐに良い釣果に恵まれるはずです。
リールやロッド(竿)、ライン(釣り糸)などは市販のもので揃える必要があるでしょうが、更にこだわっていくと仕掛け関係などは自作を始めます。これも結構な割合でやっている釣り人がいると思います。はい、私もそうでした(笑)
自作のメリット
- 安く大量生産できる可能性がある
- 値段が高い市販品よりも更にこだわりを入れた道具・仕掛けを作り満足できる
釣れる気がすることが大切(笑)ですし、実際に市販品よりも釣果が出ることもあります。
自作のデメリット
- 失敗して余計にコストがかさむ
- 自作したものが現地で使い物にならない
強度や重量バランスなど現場で使ってみないとわからないことが多い - 使う機会がなく終わる
数少ないターゲットに遭遇した場合、どうしても実績のある市販品に頼る心理が働きます。市販品の弱点を修正し得る目的で制作しないと「オリジナル」はほぼこのような悲劇に見舞われます(笑)
市販品のメリット
- 品質に問題ない
- ブログや雑誌などで釣果実績がわかる
市販品のデメリット
- 値段が高い
対象魚が釣れる条件にハマれば、値段に関係なく釣れます。 - 期待したような釣果がでるのは稀
ブログや雑誌は釣りのエキスパートが釣っています。私もプロの釣り人と交友がありましたが彼らはテクニックが半端じゃありません。普通の釣り人はその人の釣り技術が対象魚にハマれば釣れるので、その要因の一つが道具であるにすぎません。ただし、対象魚によっては、とある基準以上の道具の力で釣果に決定的な違いが出るのも事実です。
大事なのは釣りの環境条件に釣り人の道具を含む技術がマッチしたかであり、道具の値段や売れている商品価値ではありません。
ただし、釣りは釣れている時間よりも釣れていない時間のほうが圧倒的に多いので、モチベーションを上げるには「絶対に釣れる」という気が非常に大切ですし、これがないと楽しめません。そのために高い仕掛けや道具を持つという選択はあります。
もう一つ、「専用」とか「限定」とかって言葉に弱い方は、財布の紐を締めてから釣具屋へ向かいましょう(笑)
ファッション重視スタイル
ファッション重視スタイルで釣りを始めるとはどういうことかという事を説明します。
釣り人の事はアングラーとも言います。釣り人のその対象としている釣りに適した服装や必要な機能が付いた服装などは以前は地味なものが多かったのですが近年はアングラーズファッションとしてお洒落な服装が定着しました。
釣りファッションに目覚めると、釣りへ行かなくても釣りファッションで過ごすようになります。私も一時そういう時期がありました。私は結構派手なロゴが好きなんですが、普段着のTシャツなど一時は釣り用の派手なTシャツしか着ない時期もありました(笑)
女性アングラーが増えたこともあって、釣りの服装がお洒落になりました。釣ることに自信がなくても服装だけで楽しむのもアリです。ストレス解消や新たな自分発見みたいになって、要は現実から離れることができるんですよね。コスプレ的な感覚に近いのかな。
ただし派手目の格好はエギング(ルアーでのイカ釣り)やアジング(ルアーでのアジ釣り)での服装が多いと思いますが、少し釣場の雰囲気を読まないと浮いてしまうので気を付けましょう。
私はイカ釣りは「ヤエン釣り」という生きたアジを泳がせて餌として使う釣り方もやっています。ヤエン釣りをする釣り人を「ヤエン師」といいますが、この方々は地味というかほぼ普段着で釣りをしています。
ある日、このヤエン師が多くいる釣場にエギングの派手な服装をしたカップルが入って来ました。別に構わないのですが、そのカップルは場に合わない雰囲気に耐えかねて数分で戻っていきました。
そこはイカが釣れているにも係わらずです。やはり恥ずかしくなってしまうんでしょうね。
初心者が派手なアングラーズファッションを楽しむには、やはりコスプレに近い気持ちの切り替えを楽しむくらいの覚悟と度胸が必要かもしれません。それを楽しむことがアリなんです。
メカニックスタイル
子供の頃からバス釣りなどを続けている人が社会人になり、まとまった収入を得るようになると手を出すのがバスボート(ブラックバスのルアー釣り専用の小型~中型ボート)など。
海釣りでも、小型船舶免許の取得と合わせて自分の船を購入してしまう人がいます。これは初心者であってもです。
自分で船を持つ方は交流も広く、また船を持っていない人を燃料代を少し負担してもらう程度で気軽に船に乗せてくれるような、本当に面倒見の多い方ばかりです。
道具こだわりスタイルの延長線であるとも言えるし、陸での釣りからより釣果の増大と大物を求めるようになると船に行きつくといったところです。
もちろん船でも釣れないことは結構あります。お金を出して乗る遊漁船でも当然あります。
船を持つということは釣り人にとって、車や家を手に入れるのと同じかそれ以上に魅力的なことであり、言わずとも楽しいに決まっていますよね。ちなみに船をもって維持管理する人は、車や自転車にもこだわって手を入れる傾向にあります。結論、メカ好きが転じているといっても間違いではないですね。
チーム、人との交流重視スタイル
初心者が釣りを始めると対象魚、釣場地域などから釣り人関係の交流は広がり、沢山のめぐり逢いがあります。釣り仲間は本当にいい人ばかりです。ちょっと強面が多いですが(笑)。顔は怖くても本当にいい人ばかりです。
チーム的な交流だけでなく、釣場では釣り場所に入る前に、先に釣っている人に挨拶をすることが普通に必要です。
挨拶からその日の釣果情報をもらったり、いい場所が空くときに譲ってもらったり、余った餌や飲み物を頂いたり、大物が釣れた時はタモ入れ(魚を捕らえる網)を手伝ってくれたりして次回会った時には友人に再会したような交流がどんどん広がります。
一人でも釣場ですぐに交流ができるし、挨拶さえすれば黙っていても困った時は手伝ってくれたり教えて頂いたりしてくれるのが釣りの良さです。
初心者が初めて釣りをするにあたって、自分しかいないし良くわからないという時は、何も持たずに釣場へ行って、何が必要かそこで釣っている人に聞いて、釣場近くにある釣具屋でおすすめ品を買えばそのまま釣りが出来ますよ。
この記事の最初の方に書いた、私が鮭釣りを始めた時のエピソードは正にそうでしたし、今のアオリイカのヤエン釣りでは地元漁港漁師さんの師匠が私には居るくらいです。そんな釣りの始め方と楽しみ方もあるんです☆
釣り以外のシチュエーションからのアプローチ
初心者が釣りを始めるにあたり、様々なスタイルがあることを紹介しましたが、別のアプローチから釣りを始めてみるのもあるかと思います。ほんの一例かもしれませんが紹介します。
キャンプ場
家族でのキャンプを計画し、何か釣りが出来ないかと考えている方はまずはキャンプ場へ問い合わせてみて下さい。
釣りもキャンプ場のアクティビティの一つとしているキャンプ場ならば、釣り道具のレンタルなども行っている所もあります。
やりたい釣りを先に決めてキャンプ場を探すなら、そのキャンプ場で釣れるかどうかは分かりませんが、海でも川でも湖でも、多くの釣場の近傍にはキャンプ場があるので釣りを兼ねたキャンプをするということは可能です。
ドライブ
上の方の様々な釣りスタイルの項目中でも述べましたが、私は何泊も車中泊で釣行したことがあります。車の運転が好きなこともあり、行く先々で釣りと温泉を楽しむのは好きな人にしか理解できないかもしれませんね。
ドライブだけだといい加減飽きてしまった方も、釣行を兼ねることによってまた新たな楽しみを見出すことができます。釣りは地方に行くほど釣果が期待できることもありますので、ドライブメインで釣りを始めてみるのも良いかもしれません。
その他(旅行)
離島の旅館や山奥の旅館へ宿泊する時は、旅館の近傍で何かの釣りができるか問い合わせてみて下さい。旅館によっては釣り道具のレンタルをしている所もあります。
また旅館によっては、釣りで釣った魚を料理として提供する旅館もありますので、うまくすると釣行での仕入れ時に誘ってもらえることも期待できます。初心者であることを申し出れば尚更丁寧な対応が期待できます。
そこまで上手くいかなくても、旅館の方は客の要望を非常に大切にしてくれるので、知り合いなどをあたって案内してくれたり、詳しくアドバイスを頂ける可能性は大いに期待できますね。
私は離島の旅館に家族で行き、温泉に入り、美味しい舟盛りを食べてから寝ずに夜通しメバルを釣っていた思い出があります。初めて25cm超えの大物メバルを釣ったのはその時が初めてでした。
まとめ
初心者が釣りを始めるにはまず情報収集、そして情報収集における注意点と釣りを始めるにあたって知っておくべきことを紹介しました。
これを踏まえつつ色々なスタイルを紹介しましたが、スタイルは一つ一つが区分しているものではありません。今まで述べてきたスタイルを複数を持つ方が多くいますし、どれか一つのみの方もまた多くいます。
初めて釣りを始める方は、釣るための情報だけを集めて悩みがちですが、まずは釣ることより自分のスタイルで楽しむことを第1に考えて最初の1歩を踏み出せば良いと思います。
人の数だけ釣りの楽しみ方はある。その中で釣りのスタイルという事に焦点を当ててみました。次の記事ではまた違った切り口であなたに合った釣り、あなたが楽しめる釣りが始められるヒントになれればと思います。
次の記事からは私が経験した色々な釣りを紹介したいと思います。