今回の記事では「ファイヤーノット」を紹介します。ファイヤーノットは、SCノットやFGノットが「摩擦系」ノットという摩擦抵抗で結束強度を確保しているのに対し、PEラインとリーダーを「結束」のみで繋ぐ方法です。
結束強度は摩擦系ノットに及びませんが、予想しない大物が掛かったり、パワーまかせのリーリングや取り込みをしない限り、実用的には十分な強度があります。数値的にはFGノットやSCノットが95%程度に対し、60%程度という認識でいれば良いでしょう。
一番の利点は、とにかく簡単で編み込みの必要がないことです。
SCノットも簡単なノットではありますが、細いラインではどうしても「すっぽ抜け」の不安があり、この不安をなくすためには糸の巻数を増やす必要があるため、ノットを組む作業時の「締め込み」が難しくなるという悪循環にストレスがあります。
ファイヤーノットは特に初心者にお勧めしますが、中級者以上でも摩擦系ノットが苦手な方は試してみる価値はあるでしょう。覚えるのは簡単ですし。
ではファイヤーノットの結び方を図解で紹介します。
ファイヤーノットはこんな人にお勧め
- エギング、アジング初心者
- SCノットで結ぶと、どうしても「すっぽ抜け」する。
- FGノットなど摩擦系ノットの編み込みが苦手または嫌い。
ファイヤーノットの結び方
①リーダーに輪っかを作りPEラインを輪っかの下から通す
この時PEラインを通した元の方(本線方向)へ、最後にもう一度PEラインを通すことになります。
図解の都合でPEラインの端末側は短かく表現していますが、長めに取っておいたほうが作業はやりやすいでしょう。
また図ではリーダーは「輪」にはなっていませんが、次からの作業を進めていくと自然と「輪」になることが分かります。
②PEラインで折り返したリーダーを巻いていく-1
③PEラインで折り返したリーダーを巻いていくー2
リーダーの輪っかの大きさを小さく整えるように巻き始めていきます。
④PEラインで折り返したリーダーを巻いていく-3
巻いていくコツは、右手で輪っかとPEラインが崩れないように保持しながら左手で巻いていくようにします。
⑤PEラインで折り返したリーダーを巻いていく-4
図は、7回程度巻いた状態です。巻く回数はこれ以上増やしても強度が上がるということはありません。結びの作業がやりにくくなるだけですので、この回数で十分です。
この状態から次にこれまで巻いてきた方向と逆の方向へ巻いていきますが、逆に巻いていく時にはPEラインが綺麗にクロスするように巻き返していきます。
コツは、これまで押さえていた右手を離して左手で折り返しを始める箇所のPEラインとリーダーを掴み、右手で巻いていきます。
⑥PEラインを巻いてきた方向と逆の方向へ巻き返す
PEラインをクロスするように巻き返し終えた状態です。完璧に綺麗にする必要はありませんがこの段階でグチャグチャと団子状態にならないようにすることが重要です。
⑦逆に巻いてきたPEラインの端末をリーダーの輪っかに通す
この時、最初にリーダーの輪っかに通したPEラインと同じ方向に抜けるように巻き返してきたPEラインの端末を通すことが重要です。間違えないようにしましょう。
また、PEラインの本線と巻き返してきた端末が重ならずに揃う状態にしておくことも強度の確保上大切です。
⑧形を整えながらゆっくりと締め込んでいく
2本ずつ揃えたリーダーとPEラインの両方向へ、形を整えながらゆっくりと締め込んでいきます。
⑨仕上げ
最後はしっかりと締め込みますが、力を加えすぎると切れてしまいますので、形が崩れないようにするための最後の締め込み程度の力で締め込みましょう。
リーダーとPEラインそれぞれの端末をカットして完成です。
まとめ
この図解説明では、9段階に分けて説明していますが実際にやってみると摩擦系ノットに比べると非常に簡単であることが分かると思います。
摩擦系ノットを釣り場で結び直すのは結構、面倒臭いものですが、このファイヤーノットであれば精神的なダメージも少ないですよね(笑)
エギングやアジングで私が推奨するノットは、ノットアシストを使っての「FGノット」ですが、摩擦系ノットの宿命である編み込みがどうしても嫌いな方にはこのファイヤーノットが絶対お勧めです。