ゴールデンウィークがやってきました!
私はここ数年、家から1時間ほどで行ける釣場で、イカとの駆け引きがスリリングなヤエン釣りをすることを恒例としています。生きたアジを泳がせて餌とするヤエン釣りは、釣れる期待感が最高潮です。今回はそんなヤエン釣りを楽しんできました!
ゴールデンウィークといえば産卵のために岸寄りした大型アオリイカを狙って、釣場は他県からの沢山の釣り人で混雑します。
この記事では釣り人で混雑する釣場でどのように竿を出す場所(釣座)を確保し、大型アオリイカをゲットするかを紹介したいと思います。
釣行計画
大型のアオリイカが狙えるこの時期、普通の週末でさえ釣場は混雑し竿を出す場所を確保するのは至難の業です。こんな状況の中、私がヤエン釣りでやっている確実に良い場所で竿を出すために実践している事を紹介します。
イカに限らず魚釣りでアツい時間帯と言われるのは、「マヅメ」と言われる日出の前後と日没の前後です。アオリイカは夜間に活発に泳いで移動することから、昼よりも夜の方が有利とも言われています。
釣り人はみんなその事を知っていますので、普通はこう考えます。「昼より夜」
つまり、日没頃から釣りを始めて夜通し釣りをし、日出を向かえて完全に明るくなる時間帯まで釣りをするのが釣果が期待できる理想の釣りなのです。
多くの釣人がこう考えるので日出の時間に合わせて釣場へ行っても大混雑していますから、たとえ釣場に入れても、良い場所で竿を出すのはほとんど不可能です。また、午後も夕方近くになると日没の釣れるタイミングから狙ってくる釣り人で再混雑が始まります。
私はこれを避けるように釣りの計画をしています。
- 朝は普通に起きて体力気力を温存
- ゆっくり支度をして釣場へ向かう。(途中、餌のアジや釣場で食べる軽食を購入)
- 釣場へ着いたら、取り敢えず空いている場所で竿を出す。
- 日出前からの釣りで疲れた釣り人がポツポツ帰り始めるので、より良い場所が空いたら移動する。
- 最終的には現地で一番良い場所に落ち着いて日没頃まで釣りをする。
この釣り計画でやっていて釣れなかったことはほぼありません。もちろん今回も釣れましたし、一人で釣りへ行って連敗中の同行者も無事にアオリイカをゲットすることが出来ました。
こういう釣りを計画をする理由は混雑を避ける理由の他にも、経験上の理由があります。
- その釣場で一番良い場所を知っている。
よってその場所にアツい時間までに入ることが出来れば、ほぼ確実に釣果が期待できる。 - この時期その釣場のアオリイカは、日中でもヤエン釣りであれば釣れることを経験上知っている。エギという疑似餌を使うエギングという釣りでは釣れません。
私は疑似餌を使った釣りがやりたければ車で4時間かかる釣場へ向かい、夜通し釣りをする計画を立てます。かなり疑似餌を使った釣りをやったので、ちょっと飽きてしまったことと、近場のヤエン釣りが楽しいので最近はあまりやりませんが。
この近場でのヤエン釣りでは昼間の釣りを楽しみますが、夜釣りをしたくなったら同じ近場でも別の釣場へ行きます。それほど同じアオリイカ釣りでも釣りの計画は変わってくるものです。
実釣録
では上記の釣り計画を実行した結果を紹介します。
現地に到着したのは10:30頃。漁港の防波堤から竿を出して釣るのですが、やはりまだ多くの釣人がいて、防波堤から外海方向へ竿が出せる場所は人で埋まっています。他県から来たみなさんは知らないようですが、実はこの釣場は港内でも釣れるんです。
ただ、水中の藻が群生しているのと船を留めておくロープがあるためアオリイカが餌に掛かってもヤエン針を落とせる距離にまで寄せるのが難しいという特性があります。
まずは計画通り、取り敢えず空いている港内向きへ竿を出すことにしました。来る途中で買ってきたアジ20匹をスカリ(又はビク)という入れ物に移し替えて港内に沈めます。
こうすることでアジが元気なまま長時間保管出来ることと、現地の海水に慣らせることが出来ます。
アジ以外の道具を竿を出す場所まで運んできて準備します。竿先から出ている釣り糸にアジを付けるための釣り針のようなアジ針を取り付け、スカリから取り出したアジに針を掛けます。これで準備オッケー。
11:00過ぎ頃、外海方向へ竿を出していた釣り人もポツポツ帰り始め、場所が空いてきましたが釣れている気配もないので、そのまま準備した港内向きへアジを投入。
10分ほどすると私のリールが「ジーッッ!」と鳴ってイカが掛かったことを知らせています。
予想通り、港内にもアオリイカが居ました。しかも1投目からヒット!
上の方でも書きましたが、この釣場は港内側は障害物が多く、ヤエン針を落とすことが出来る距離までイカを寄せてくることが難しい特性があります。
案の定、イカを寄せている途中に藻に引っ掛かってしまい、力ずくで藻から抜いた拍子にイカは食べていたアジを離してしまいました。下の写真のようにイカはアジをしっかり食べているので、藻に引っ掛からなければ釣れていたでしょう。残念…
残念ではありますが、まだこの竿を出している場所は本命の場所ではありません。アオリイカが居ることは証明されたので本命の場所への期待は高鳴ります。
外海方向へは疑似餌を使った釣りをしている他県からの釣り人が数人やっていますがイカが釣れる気配はありません。
慌てて竿を出している場所を変える時間でもないので少し防波堤の先端方向へ移動してから、もう一度港内へ投げることにしました。こうすることでまたイカが掛かった時に障害物を避けられる可能性があるからです。
すると30分もしないうちにまた私の竿にヒット!
・・・が、今度は船を留めるロープに引っ掛かったのか、餌のアジに掛けていた針ごと無くなった状態でイカに逃げられてしまいました。
以前に私は港内側でも釣った経験があります。しかしこの日は、上の写真をよく見てもらえば分かると思いますが、潮位が低く水深が浅いため以前よりも障害物を避けて寄せてくることが極めて難しくなっていました。
これで港内側には見切りを付けて外海方向へ竿を出すことに。ちょうど混雑していた釣場もかなり人が減り、私が一番釣れると狙っていた場所で釣っていた他県からの釣人も帰ったようなのでその場所へ移動。
この時点で12:00を回り、満潮近くにはなっていましたが潮の動きはほとんどないため休憩のつもりで2~3時間のまったりタイムに突入です。
この日の満潮は13:46。完全に潮が止まった状態ではまず釣れませんが、ここから干潮へ向けて動き始めるタイミングがイカに限らず、釣りでは釣果が出やすいアツい時間です。
すると14:30頃、「ジーッッッ!!!」というより「ギュイーッッン!!」という音がリールから出ています。焦る気持ちを抑えながらアオリイカがアジを食べるために引くのをやめて止まるのを待ちます。
それにしてもよく引くため、リールに巻いた糸が足りなくなるのではと心配になった頃にようやく止まりました。ほっと一息ついてしばらく様子を見ていると港内から漁船が出て行きます。
するとまた「ジーッッ!!」とリールが鳴り、糸がみるみる出ていきます。私が使っている糸は、距離ごとに色分けされているんですが、これまで見たことがない色の糸がリールに見えています。(やばい…糸がなくなる。船に糸が引っ掛かったか??)
糸があまり出ていかないようにリールを調整しますが、リールは鳴り止みません。漁船に糸が引っ掛かったのだと諦めたところでようやくリールが鳴り止みました。(良かった…イカだった。しかしこれを寄せるのは大変だ…。)
外海にも藻の群生があり、普通であれば避けるのが結構大変なのですが、これだけの勢いで引っ張られたということは藻の心配はあまりしなくて済みます。ゆっくりとイカを寄せ始めますが…重い。
ここでヤエン釣りをやったことがない読者のために補足説明をしておきます。
この時点ではイカは、餌のアジに抱きついて食べているだけの状態です。
食べるのに夢中になっているイカに気付かれないように引き寄せているだけです。
イカを掛けるための針は、自分の位置から5~10mほどの距離にまでイカを引き寄せてから投入します。
このイカを掛けるための針のことを「ヤエン針」といい、この独特な釣り方こそヤエン釣りの醍醐味です。
ヤエン釣りの事をもう少し詳しく知りたい方は下記の記事も読んでみて下さい。
では続きをどうぞ。
竿からは生物感が伝わってくるのでアオリイカが掛かっているという確信の反面、これまでに経験したことがない重さから本当は何か別なものが掛かっているのではないかという疑念が交互に頭の中で回っています。
半信半疑の複雑な気持ちで15分ほどかけてようやくイカを掛けるための針を落とせる距離にまで寄せました。
竿を竿立てに置き、竿先から出ている釣り糸にイカを掛けるための針をセットして糸に沿って滑り落とします。竿を再び持ち垂直近くにまで立てて落とした針を加速させた後、再びさっきまでと同じ要領で寄せをします。
すると竿のしなりがぐっと強くなりリールから糸が出ていきます。これは落とした針がイカに到達した合図みたいなものですが、ここではまだ竿をグイッと強く引いて針を強く食い込ませる「アワセ」という動作はしません。
アオリイカの場合は迂闊に「アワセ」を行ってしまうと、実はまだイカを掛けるための針が到達していなかったり、胴体ではなく足1本にしか掛かっていなかったりという可能性があり、逃げられてしまう事がよくあります。
焦らず、落ち着いて、慎重に水面近くにイカの姿が見えるまで寄せを続けます。
ようやくイカの姿が見え、またググッと引いて逃げようとした時にイカの姿が見えなくなるくらいの墨を吐くのが確認できました。
これがイカを掛けるための針がしっかりと胴体に掛かっている証拠になります。ここでようやく「アワセ」を行って針を確実にイカに掛けます。
「アワセ」によってしっかりと針が刺さったのを確信したので、安心してアオリイカの強い引きを味わいながら足元にまで寄せ、同行者に網での取り込みをしてもらってこの大物をゲットすることが出来ました。それが下の写真です。
余裕の2kgサイズで自己記録更新です。周囲で釣っていた他県からの釣り人も近くに集まり「こんな大きいの見たことない。」と言っています。この釣場では珍しくはないのですが、やはり優越感はありますね(笑)
このすぐ後、同行者の友人も1kgクラスをゲットし、数は釣れませんでしたが大満足の釣りになりました。
釣り環境データ
釣りに影響するほぼ全ての環境データは便利なスマホアプリで簡単に調べられます。釣りに必要な環境データは、潮汐(満潮や干潮等)、明度(明るさ)、天候と予報、風、これに主に船釣りや磯釣りでは波の高さなどになります。
上の潮汐アプリ画像の左上のところに「BI」という単語がありますが、これは「爆釣インデックス」というこのアプリ独自のものです。主に潮汐に応じた釣果が期待できる指数をグラフ内の星の数で表したもののようですね。
このアプリもまだ開発途中のようで、会員登録をして釣果実績を募ることにより、このBI指数の正確さを向上させようとしているみたいです。まだまだ一般論としての釣果期待指数に過ぎませんが、全く分からない初心者には有り難い機能かと思います。
ここで簡単に各環境データがどのように釣りに影響するかを説明したいと思います。
- 潮汐
満潮や干潮は、太陽と月の引力によって海水面が引っ張られることによって生じる現象です。月がかけているように見える黒い範囲は太陽からの光が地球の影を映し出しているものですよね。
これが引力の強さに影響する地球に対する太陽と月の位置関係になります。- 満潮、干潮
満潮では潮位という海水面が最も高くなり、逆に干潮では最も低くなる。満潮または干潮時間には潮の動きが止まり、海中の生物の警戒心が強くなることから釣りの仕掛けに対する反応がほぼなくなる。 - 満潮と干潮の間の時間帯
潮が動き、海水の流れが起きる。海の生物たちは潮の流れに応じて活発に動くため、釣りの仕掛けへの反応が良くなる。 - 満潮または干潮前後の時間帯
潮止まりの前後は海中では動いていた潮がゆっくりと止まり、止まっていた潮が逆の方向に流れが切り替わるという現象が起きている。この変化により海中の生物達は刺激を受け、釣りの仕掛けへの反応が最も良くなる。(アプリ内の「BI」指数を表す☆の数が多い箇所がこのタイミングに該当します。)
- 満潮、干潮
- 明度
- 大きくは、太陽が出ているか、月齢(満月~新月)による釣場での夜間の明るさはどうかということを知っておく必要がある。
- 満月ではライトが必要ないくらいの明るさが確保でき、新月では非常に暗くなる。
- 海中の生物たちにも同じ影響があると言え、新月の暗い時期では港の街灯周りにアジなどの小魚が集まり、その小魚を狙う大型の魚なども集まってくることがある。
- 天候と予報
- 雨の中釣りをすると体調を崩すので釣りはしないですよね。無理に釣行すると体調を崩すどころか事故や災害に遭遇することもあります。
- 釣りは天候の良い日に計画し、無謀な釣行はやめましょう。
- 船釣りなどでは波のうねりも予測する必要があるので、低気圧の位置など基本的な天気図の読み方も知る必要があります。
- 風(風向・風速)
- 天候が良くても風が強ければ釣りは出来ません。風向によっては少々風が強くても背中側からの風であれば何とか竿が出せるでしょうが、正面や横からの風だととても釣りが出来る状況にはなりません。
- ただ風は釣場によって局地的な特性があるので、データだけで判断しないことも重要です。
- 船釣りなどでは波の高さにも影響します。
- 波の高さ
- 船釣りや磯釣りでは必ず把握しておかなければならない情報です。波が高い時は当然危険です。
- 漁港の防波堤で釣りをする場合でも、あまりに波が高い場合は危険なので釣りを諦める必要があるでしょう。
- 逆に波が穏やか過ぎると海の生物達の活性が悪くなり、釣りの仕掛けへの反応も悪くなります。
アオリイカ釣りに必要なデータで、上の潮汐アプリでは入手できない情報は、「海水温」になります。アオリイカは海水温が15℃以下では餌を食べないと言われており、釣れる可能性はほぼなくなりますし、短期間に海水温の変動が激しくても釣果は激減します。
そもそも私は釣りへ行ける機会が少ないので海水温まで気にしていられないし、ゴールデンウィーク期間は海水温はほぼ安定するので今回は調べてもいませんが、年を通じてアオリイカを狙う場合は知っておいた方がいいですね。
初心者の方が参考にできるように、上記のアプリデータを元に今回の釣り計画で私が考えたことを少し解説します。
- 天候(曇のち雨)
釣っている時間中に雨は降らないだろう。服が濡れるほどの雨が降れば釣りをやめて帰る。少々濡れても爆釣状態だったらそのまま暗くなるまで釣る(笑) - 風(南東の風4m)
予報上やや風があるが、経験上、この風向風速予報であれば現地の風は弱くて問題ないだろう。予想より風が強くても、竿を出す方向を変えることも出来る釣場だし、危険なほどの風は吹かないと確信できる。 - 潮汐(長潮)
潮位(海面の高さ)が通常より低く、アオリイカが活発に泳ぎまわる状況ではないため、あまり条件は良くない。釣り糸が水中の藻などの障害物に引っ掛かりやすくなるため釣り難い。ただ長潮は長い時間ダラダラと潮が動き続けるので、魚が餌に反応してくるチャンスはあるだろう。- 満潮115cm(13:46)
アオリイカの釣りは、満潮になる直前と、満潮から潮が引きだす時が一番釣れるタイミング。
昼前の現地到着から釣りを始めると、満潮で潮の動きが止まる直前と干潮に向かい潮が再び動き始める時間帯が最も期待できる時間帯になる。12:00頃及び14:00頃から15:00頃までの間が一番アツい時間帯 - 干潮54cm(20:18)
満潮以降、日没により釣りをやめる予定の19:00頃までの間は、潮位は低いが一応、潮の流れはある。(釣れる可能性はある。)
- 満潮115cm(13:46)
- 日出(05:05)
この日は昼からの釣りなので考慮せず。 - 日没(18:35)
19:00頃に釣りを終了し、暗くなる前に片付けを終える。 - 月齢、月出、月入
明るい昼間の釣りなので考慮せず。(潮汐には関係している。)
ヒットした(イカが餌に掛かった)時間等
- 11:30頃(港内向き1投目から!)
- 12:00頃(1投目と同じ港内向き。同じイカの可能性大)
- 14:30頃(堤防先端付近、外海向き)【ゲット】
イカが餌に掛かった時間と環境データの特に潮汐を見比べると、アオリイカが釣れやすい条件が分かると思います。「満潮潮止まり前」と「満潮からの潮下がり始め」ですね。ただ、釣り場所によって特性があるのでそれを知ると釣果アップに繋がりますよ。
釣り道具記録
- 竿
ダイワ インターライン プログランド2-45(2号、450cm) - リール
シマノ アオリスタBB C3000 - 釣り糸
フロロカーボン 1.85号
サルカン付きアジ針使用(ゼイゴ掛け) - ヤエン針
ヤマシタ Lサイズ - 竿置き
ダイワ バトルゲーム・ヤエンスタンド
まとめ
アオリイカのヤエン釣りが初心者にも参考にして頂けるように記事にしてみました。ある程度この釣りを知っている方には内容的に薄い感じがあると思います。
釣り道具に関しては、専門用語というよりも釣りメーカーと商品名や材質名になるので、わからない場合は個別に検索して頂ければと思います。
また下のリンク記事も是非読んでみて下さい。