前回の記事で、CPUをRyzen5 2600からRyzen7 5700Gへスペックアップしたことを紹介しました。その後、マザーボードの交換、PCケースの交換、メモリ増設、メモリ用LEDヒートシンクの取り付けと、ちょこちょことPCをいじりました。
その都度、自分でも改めて調べなおしたりしながら作業したことから、初心者の方向けにパーツ選びで考えたことや、参考にしたサイトなどをまとめておきたいと思います。
過去のPCと現在のPCの構成概要
スペックアップ前のPCとスペックアップ後のPCの構成概要の一覧表です。SocketAM5が発表された中、SocketAM4パーツの価格が下がってきており、今がスペックアップのためのパーツ購入の旬といった感覚でいます。
その中で、PCケースなどはこれまでの「とりあえずの物」から「自分が探していた理想的な物」に出会えたという満足感に浸っています。
主要パーツ | スペックアップ前PC構成 | スペックアップ後PC構成 |
---|---|---|
CPU(SocketAM4) | Ryzen5 2600 | Ryzen7 5700G |
CPUクーラー | CPU付属 | DeepCool AK500 ※ファンをCoolerMaster SickleFlow 12cm ARGBへ交換 |
マザーボード | ASRock B450M Pro4 | ASRock B550M Steel Legend |
メモリ構成 | 【計16GB】 Corsair DDR4 2666MHz 8GB×2枚 | 【計64GB】 Team DDR4 3200MHz 16GB×2枚 Crucial DDR4 3200MHz 16GB×2枚 |
メモリヒートシンク | メモリ付属 | Teamメモリ:メモリ付属 Crucialメモリ:EZDIY-FAB アドレサブルRGB |
グラフィックボード | ASRock PhantomGamingRadeon RX560 2G | ASRock Radeon RX6600 8G |
電源ユニット | 玄人志向 KRPW-BK550W/85+(ブロンズ) | 玄人志向 KRPW-BK550W/85+(ブロンズ) |
PCケース | SAMA JAX-02 黒鉄 | Fractaldesign Vector RS |
PCケースファン | フロント:低価格品12cm×2個 リア:低価格品12cm×1個 サイド低価格品12cm×2個 | フロント:ケース付属14cm×2個 リア:CoolerMaster SickleFlow 14cm ARGB |
各パーツ選び
自作PCの良いところは、自分の好きなようにパーツが組めるということがあります。それがスペックであり、機能であり、デザインあったりしますが、予算に応じて我慢してみたりというのも次の目標ができたりして楽しいものです。
私はCPU交換を皮切りに、ずるずるとパーツを買い足してしまった感じですが、まぁ…ありかなと。とりあえず現状に満足できているので良しとします(笑)。
CPU
CPUをRyzen5 2600からRyzen7 5700Gへ交換したことについては、前回の記事で詳しく紹介しています。
いつかはRyzen7にしてやろうという気持ちはかなり以前からあって、やっと念願を叶えた感じです。(次は在庫がなくなる前にRyzen9 5950Xにしてやろうと思っています。)
SocketAM5が発表されてSocketAM4の価格がどんどん下がってるので、自作PC派としては新品の在庫が残っているうちに底値でパーツのグレードアップに励みたいところですよね!もっとディープな方はジャンク品で組んでしまうのが好きな方もいらっしゃると思いますが。
私は今のRyzen7でも所有欲を満たされている状況ですが、SocketAM4の最高峰であるRyzen9 5950Xについては新品の在庫があるうちに入手し、自分のSocketAM4PCの最終形態に組み込みたいと考えています。
それからしばらくしたら、SocketAM5のCPUに対応するマザーボードやメモリなどの価格も落ち着くでしょうから、最新世代のPCに手を出すのは、それからでも良いかと思っています。年数的にはあと2~3年といったところでしょうか。
その時はまた低グレードのCPUから始める感じになろうかと思いますが、スペック(性能)だけは向上するようにパーツを選んでいくのが楽しみですね。
今回のCPUスペックアップでRyzen7 5700Gを選んだのは価格が下がったことの他にも理由があります。今でこそパーツを増やしてしまいましたが、GPU内蔵のGモデルを選んだのは、静音性を追求したかったからです。
それまで使っていたPCはとくかく音がうるさく性能だけで満足していたのですが、狭いアパートで家族が寝ている間にPCを起動する時間も長くなり、ちょっと気を使っていました。
爆音の原因は、CPU付属のCPUクーラー、グラフィックカード、PCケースファン、PCケース本体。全てに静音性など考えないで価格のやすさのみで購入していました。
前回の記事で紹介していますが、グラフィックチップ内蔵のGモデルにすることでグラフィックカードを取り外し、ファンの音を一つ減らしてやろうという考えでこのCPUを選びました。結果正解で、安い鉄製のPCケースでも、ものすごく静かになりました。
それともう一つ、消費電力です。オーバークロック仕様のXモデルはTDP 105W以上が通常です。デスクトップPCを長時間起動している者としては、この電気代が高騰しているなか、ちょっと気になります。
このRyzen7 5700GはTDP 65Wなので、CPUの消費電力としては最低レベル。しかもスペックは高いという電力コスパが秀逸なCPUです。これが決定打でした。
CPUクーラー
Ryzen5 2600の時は付属の空冷クーラーを使用していましたが、Ryzen7では別途購入して使いたいと思っていました。理由は先にも述べた静音性を追求したいということと、付属の空冷クーラーがトップフロー型であったものを、サイドフロー型で使ってみたいと思ったからです。
サイドフロー型を使ってみたいと思った理由は、構造をよく理解したかったことと、メカメカしていて格好良いという理由です。静音性が高く、冷却性能に不安がないということを念頭に口コミなどで調べた結果選んだのが、DeepCool AK500 です。
DeepCool のAKシリーズには、色々なバリエーションがあるのですが、ラジエーターむき出しの一番武骨な格好良さを感じたこのモデルを選びました。結果は申し分なく、静かで良く冷えます。静かであるのいうのは、取り付いているファンの音なので、交換してしまえばまた違いますけどね。
マザーボード
マザーボードを交換したのは、チップセットをSocketAM4のものとしては最新にしておきたかったからです。スペックアップ前は、B450のチップセットでしたがスペックアップ後はB550です。
このB550のチップセットは優れもので、設計思想的にはこれまでのXシリーズのチップセットと同等か一部優れているところもあります。使っている素材などのグレードを下げてコストを抑えている感じですね。
このB550チップセットで安価なものを探した結果、ASRock B550M Steel Legend を選ぶことになりました。AsrockのマザーボードのUEFIに慣れているし、「Restart To UEFI」というWindows起動後でもUEFI画面にアクセスできるという機能の使い勝手が良いというのもありました。
このマザーボードを使ってみてから思っていますが、口コミも良し、LED照明ほど良し、通信規格も速いものに対応していて良し、M.2 SSDを冷却するヒートシンク付きで良し、DrMOS装備で発熱対策良し、メモリやPCIEeなどのスロットも堅牢で良しと、非常にコスパに優れたマザーボードでオススメです。
MicroーATXサイズにしたのは私のPCの使い方での機能は十分であり、拡張する予定もないからです。PCケースは口述しますが、EーATX(エクストラATX)サイズのマザーボードも収まる巨大ケースなんですけどね(笑)
メモリ構成
メモリの増設は2段階を経ています。単なる増設と、4スロット使った場合のクロック対応がカタログ表記通りになるのかを確認したかったからです。
第1段階
増設前は、DDR4-2666MHz、1枚8GBのメモリを2枚挿しで16GBで使っていました。もちろんデュアルモードになります。
今回、CPUとマザーボードを交換しており、双方ともメモリクロック3200MHzまでは定格で対応しているので、クロックのスペックアップとメモリ容量の増設を兼ね、DDR4ー3200MHz、1枚16GBのメモリを2枚挿しの32GBに増設したのが第1段階です。選んだメモリはヒートシンク付では当時最安値だったTeamというメーカーのものです。
LEDこそ付いていませんが、赤いスチール製のヒートシンクが格好いいメモリで、動作も安定しています。オーバークロックには対応していないので、あくまで定格3200MHz運用になります。このメモリも2枚挿しのデュアルモードでの運用でした。
第2段階
ここから更に物欲が出てきます(笑)
- マザーボードがアドレサブルRGBに対応している。
- 今まで2スロット(デュアルモード)でしか使っていなかったが、4スロット使ってデュアルモードでなくなったら体感的なスペック低下があるのか? それとも増設分の速さの恩恵があるのか?
- CPUもマザーボードも64Bit Windows環境ではメモリ容量128GBまで対応しているから、その半分くらいの容量(64GB)は確保しておきたいかな、体感的にも快適になるだろうし(笑)
- メーカーの違うメモリの組み合わせって大丈夫なはずだけどやったことがない。やってみるか!(笑)
ということで、DDR4ー3200MHz、1枚16GBのメモリを2枚追加してトータル64GBへ増設したのが第2段階です。今度はLED付のヒートシンクは別に購入してメモリに取り付けたかったため、ヒートシンクなしでは定番のCrucial というメーカーのメモリを選択。
このメモリにアドレサブルRGBに対応しているメモリヒートシンクを用意して装着。選んだのは下のヒートシンクですが、ちゃんとアドレサブルRGBに対応しており、綺麗に光ります。
同製品の新しいモデルのようで、前モデルはLEDの粒々があるとの口コミがありますが、このモデルはLEDの粒々もなくきれいに発光します。
グラフィックボード
グラフィックボードを追加購入したのは、物欲の極りに過ぎません。しかもちょっと失敗した感じです。。。とはいえ、自分なりには理由があったわけで、その理由とは、
- PCケースも交換したが、このPCケースの静音性の評価が高く、試してみたくなった。
- PhotoShopを少し使うが、Ryzen7 5700G の内蔵VRAM2GBは、PhotoShop環境としては最低限。推奨は8GB以上。
- CPU内蔵グラフィックと外付けグラフィックの併用方法を知りたくなった。
という理由から、グラフィックボードを購入してしまいました。選ぶ基準は、フォトショの推奨基準である8GBをクリアすることと、コスパです。
参考にさせていただいたブログサイトは下記リンクの2つです。(ありがとうございます。)
「ちもろぐ」:やかもち さんのサイト https://chimolog.co/bto-best-gpu/
「Tack’nのたわごと」たっくん さんのサイト https://www.tackn.jp/post-5374.html
しかしここで失敗。。。購入しようとしたのは、Radeon RX 6600 XT だったのですが、値段ばかりに目がいってしまい、Radeon RX 6600 を購入。XTモデルを再検討しましたが、価格的にどうしても手が出せずこのまま使っています。
結果的には、グラフィックボード購入目的は全て達成しており、使用用途からスペック的にも快適に使えています。これからグラフィックボードの価格が更に落ち着いてきて価格が下がってきたら、GeForce RTX 3060 Ti に変えたいとは思っています。(物欲のスパイラル…)
電源ユニット
電源ユニットだけは、自作PCを初めて組んだ時から変えていません。私のPCは消費電力を普通に見て、せいぜい250~300W程度なので交換する気にならないんですよね。現在使っている玄人志向の電源ユニットが非常に安定していて問題がないということもあります。
自作PCをやっている者にとって「電源には妥協するな」ということがよく言われていますが…すみません。とはいえ、一応いつも電力計算に使わせて頂いているサイトがありますので、下にリンクを貼っておきます。
「自作.com」:自作PC好きの方々がチームで運営しているサイト https://jisaku.com/build/builder
ドスパラさんのホームページ:https://www.dospara.co.jp/5info/cts_str_power_calculation_main
BTOパソコン ミニ館さんのサイト:https://btopc-minikan.com/dengen-calc.html
PCケース
PCケースは、5インチベイが備わっている大きなサイズというだけで、最安のものを使っていました。もう販売もしていない製品です。
ガラスケース系に興味はありましたが、これと言って手に入れたいと物欲をそそられる製品もなかったのですが、最近になってやっと自分が「欲しい!」と思わせられるPCケースに気が付きました。それがフラクタルデザインのVector RS というPCケースです。
かっこいい...
このPCケース、平均価格が17800円~19800円くらいで売っているのが通常ですが、ドスパラさんだけはなぜか、9980円(特別なときは更に安く)で売っているんです。ドスパラさんでこのケースが売られたら瞬殺で売り切れます。
欲しいと思った時から、ドスパラの安くなったら教えてくれるメールに登録するとともに、自分でも3日間くらい毎日直接チェックし、ドスパラさんに入荷した瞬間に購入しました。19800円くらいでも購入したと思いますが、安く手に入れられて大満足です。
使ってみて当然満足していますが、このPCケースはゲーミング用途だと熱が溜まりやすいので向いていないと思います。冷却性を向上するには天板の強化ガラスをメッシュ天板に交換してファンを装着することが必須になりますが、天板強化ガラスだからこそ、このPCケースの格好良さが際立ちますよね。
PCケースファン
ケースファンに関しても、メモリと同じく2段階を踏んで今のPCケースファンで落ち着きました。
第1段階
PCケース交換前でグラフィックボードを取り付けず、LEDにも手を出す気がなった段階では静音性とPWMであることのみを考え、CoolerMasterの 120mm 静音タイプ である、Silencio FP 120 PWM を2個購入して取り付けました。
カタログ表記でノイズレベル14DBというのは伊達でなく、本当に静かなファンです。風量もしっかり出ていると思います。本当に良いファンだったのですが、マザーボードに合わせてLEDにしてみたいという欲求に勝てず、第2段階へと移行しました。
第2段階
第2段階では、新しいPCケースへの取り付けになります。Vector RSはフロントに140mmファン×2個、リアに140mmファン×1個の計3個のファンが標準で取り付けられています。このうちガラス面越しに見えるリアファン×1個とともに、CPUクーラーファンについても交換することにしました。
アドレサブルLED、PWM、静音の優先順で色々なファンを探しました。もちろん、高価な物であれば簡単に探せるのですが、価格もそこそこ抑えたいということで購入したのが下のファンです。
CoolerMasterのファンの買い直しのようになっていますが、やはりCoolerMasterのファンが良いですね。価格、品質、機能のすべてに満足できました。実際使用していると、綺麗、静か、風量、品質すべてに満足できます。
まとめ
初心者向けに日記、覚え書きのように記事を構成して紹介しました。記事で紹介したことで、現在のPC構成となった訳ですが、PCケースをはじめ各パーツのスペックアップでとても静かなPCとなって、大変満足しています。
今後はRyzen9 CPUへの交換の機会があったなら、簡易水冷を取り付けるか本格水冷にも挑戦したいと考えています。Vector RSは内部に収まる本格水冷も対応できるほど筐体が大きいので、やりたいことが尽きません(笑)