天候や潮汐などの気象現象は「釣り」の大きな要素の一つであると言えます。釣行できるかどうかはもちろんのこと釣果にも大きく影響しますし、事故防止の観点からも必ず確認すべき事項です。
しかし慣れないうちは釣行するにあたって天気や自然現象の何をどこで調べれば良いのか、よく分からないという方もおられるのではないでしょうか?
この記事では、釣行する前に確認すべき自然現象のことや、何で調べればいいのかということなどを分かりやすく解説します。
釣行に影響する天気現象等
釣り共通
晴れているか雨なのか雪なのか。自分の釣行に応じた天気の情報を確認するのは何かイベントを予定する時には皆さん当然やっている事と思います。
基本的には自分が風邪をひかないようにするため程度に雨が降るか降らないかくらいを確認している事と思いますが、釣りにおいてはもう少し気を付けるべき事があります。
- 友達や仲間との釣行
何日も前から釣行の約束をしていると少々天気が悪くても釣行してしまいがちです。しかし釣り場は足元が悪かったり滑り易かったりで思わぬ事故につながることが多々あります。無理な釣行はせず、天気の良い日に仕切り直す勇気を持ちましょう。 - 仕事が休みの日や限られた時間での釣行
忙しくて滅多に釣行できないのにあいにくの悪天候…、気持ちは分かりますが上記と同じく諦めましょう。 - 雨は降らないピーカンの晴天
- 嬉しくて準備も万端だと思います。だけど日焼け防止の準備は大丈夫ですか?
- 天気予報での天気は良くても海や山の天気は変わりやすく局地的な悪天もあります。やや上級者向けですが現地の天候推移が確認できる手段を確保するか自分の経験を重ねて独自に判断が必要になってくる場合もあります。
ショア(陸)からの海釣り・磯釣り
ショアの釣りでは天候の一般的なことにプラスして波の高さや潮位、高潮の状況や可能性なども確認しておく必要があります。釣り座まで波がくるようであれば道具を流されてしまったり、最悪は自分自身が波にさらわれかねません。
確認しておくべき天気は下記の通りです。
- 天気予報
- 波の高さ
- 潮汐、満潮時間と潮位
- 風向風速
これは天気が良かろうが悪かろうが関係ありません。
当然、低気圧の影響があれば波も高く高潮の可能性が高くなりますが、高気圧の圏内であっても潮位が高くて風が強ければ足元まで波が来ることも無いとは言い切れません。
オフショア(船)での海釣り
船での釣りでも確認すべき天気等はショアとほぼ同じと思いがちですが、波の高さやうねり、風向風速についてはショアよりもシビアに判断することになります。まさに命にかかわりますからね。
確認すべき天気等については次のようになります。
- 天気予報
- 波の高さ、うねり
- 風向風速
潮汐や潮位などについてはあまり注意することはありませんが、船を係留している港等によっては潮位が下がりすぎると出船できなかったり、逆に潮位が高いと通過できない場所などがあったりする場合もあります。
船舶免許を取得する時には海洋気象についても試験項目があるでしょうから、気象に関する基礎的な知識は得られるはずです。
河釣り・渓流釣り
河川での釣りや渓流釣りでは海釣りとは違う天気等状況が必要になります。比較的軽易にアプローチできてしまうため天気予報程度で釣行を決めてしまう方が多いですが実は海釣りよりも危険な要因が多くあります。
また水位などは現地で判断するようになるため天気に関して油断してしまうのも河川等での釣りの危険な要因の一つです。
- 天気予報(現地と上流域)
釣り場所の現地だけではなく上流域の天気も確認しておきましょう。水位の上昇や流れの速さのほかに、現地の天気が良くても上流域の降水が激しい場合は予期しないダムの放流などが行われる場合もあります。 - ダムの貯水状況
平素からダムの貯水状況を把握しておくことにより、上流域の降水が多くとも引き続き貯水できる状況なのか放流が行われる可能性があるのかを把握することが出来ます。 - 前日または2~3日前までの現地降水量
特に山へ入っていく渓流釣りなどでは現地の保水量が多くなっていると土砂崩れなどの大害に遭遇する可能性があります。数日間にわたって降水が続いている場合は危険リスクが高まっていることを認識した釣行計画にすべきでしょう。
事故防止のための天候判断
上記でも事故防止のための天候について一部述べています。天候を確認すること自体、釣行の可否ということ以外に事故防止のためという意味合いが強いですからね。
雷
雷での事故が最も多いのは登山次いでゴルフですが、実はその次に多いのが海・川・沼などの場所での事故となり、海水浴等と比べても同等の発生件数があるのが釣りに関連する落雷事故です。
釣りでの落雷事故で怖いのは、
- 雷が水を伝ってくるため離れた場所でも被雷する。
- 持っている竿に落雷する事故が多い。
- 水場から離れ、木の下などで雨宿りしていて被雷する事故もある。
- 避難できる場所は車の中や堅牢な屋内に限られる。
釣りに関連する落雷事故の発生頻度としては、重傷を伴う事故はほぼ毎年発生し、2~3年に1回の頻度で死亡事故が発生しています。
夏場の釣りではどうしても不意に落雷に遭遇してしまうこともありますが、次の対策をしっかりと取ることにより安全な釣行に努めましょう。
天気予報で終日、雷が予報されている日の釣行は避ける
雷雲と呼ばれる雲は「積乱雲」という種類の雲です。積乱雲の前には積雲という種類の雲から発達し始めるため「積雲~積乱雲~かなとこ雲」と成長していきます。
この成長は「大気の安定度」という要素(下層の空気よりも上層の空気が冷たいため上昇気流が発生)により数値的な予想が出されます。ちなみに竜巻の発生予想もこの大気の安定度によって出されます。(厳密には「上昇流」や「渦度」も用いて分析されます。)
テレビの天気予報で「上層に寒気が流入し…」などと言われている場合はこの「大気の安定度が不安定」であることを言っているわけです。
このような日は雨が降り続くわけですが、同じ雨でも大気の安定度が不安定であることが強調される場合は全く釣りには適さない気象であるため、雷の発生リスク考慮はもちろんの事、風や雨量からも釣行は避けるべき天気であると言えます。
天気予報で雷の時間帯を把握しておく
雷の発生を予想するための「上昇流」や「渦度」の数値データは時間推移で将来データがコンピュータで出されますが、大気の安定度については6時間ごとの観測所における実測値になります。
数値予想データと実測値から気象予報士は「予報」を出すわけですので、天気予報で雷が予報されている時間帯を把握しておくのはとても重要です。
しかし積乱雲の発達速度は日射で地面が暖められるなどの要因による局地的な上昇気流の発生でも変わってくるため予報が困難であることも否めません。
これは竜巻の発生がほとんど予報されないことやゲリラ豪雨の警報がリアルタイムの実観測で行われている事を見れば理解できると思います。
釣り場での雷発生の予想は、このゲリラ豪雨警報を自分で判断する事と同じようなものであることを理解しておく必要があります。
釣り場で雷の音が聞こえたら早めに釣りをやめて避難
雷の音が聞こえたらというのは最も分かりやすい「雷の兆候」です。しかし海などでは遠くからの音というパターンが多いですが、山(渓流釣り)や川などではその場で積乱雲に発達し音が聞こえた時には遅いということも十分考えられます。
また雷は水を伝ってくるという事もあります。私は明らかに遠くで落雷しているのを承知でルアー釣りをしていたところ、ロッド伝いに電気が流れているのを確認して釣りをやめたという経験があります。(自分の上の天気は晴れていました。)
遠くの雷はあなどりがちですが、雷は電気であって離れていても水を伝ってくるという事は忘れないで対処しましょう。
黒い雲が増えてきたら要注意
よく白い雲と黒い雲は何で色が違うのかという話しを聞きます。これは白い雲は水蒸気の塊であって太陽の光線をよく通していると考えて良いものです。
対して黒い雲は水蒸気がさらに大きな水の粒へと発達し、さらに上昇気流により持ち上げられ「雹(ひょう)」のような氷の粒という固形化されたものに近づくため太陽の光線を通さなくなってくるために黒く見えるのです。
当然、この雲を構成している物質間の摩擦によって電位が高くなり雷の電圧として蓄電されていくわけですから黒い雲が増えてきたら釣りをやめるか車などの避難できる場所に近づいておく必要があります。
急に風が吹き始めたり風向きが変わったら要注意
積乱雲の中は上昇気流が発生しているわけですが、その周囲では上昇した空気が逆に地面に向かって流れ出しています。
この現象が極端に大きくなったものが「ダウンバースト」と呼ばれる飛行機事故などでよく聞く現象になります。
釣り場で「急に風が吹き始めた」であるとか「風向きが急に変わった」というのは積乱雲に発達している雲から下降流が風になって吹いて来ているということです。
この時その方向に黒い雲があればすぐに避難するべきですが、風が吹いただけでは黒い雲が確認できない事も時々あります。
おかしいと思ったらスマホのお天気アプリで「雨雲レーダー」を確認しましょう。赤く表示された雲域が近くにあればそれが要因の風になります。
高波・うねり・高潮
高波は風が要因で起こるもの
高波とは強風によって海水面の表層に波が発生するものです。風によって波立つといっても時には数mの波が発生します。
高波の先端は尖っておりかつ白波が立つこともあります。このようなところへ船で突っ込んでいくと持ち上げられたところに「ドカン!」という衝撃を受けます。
高い波を横から受けると転覆する恐れもありますし、磯などでは強風に煽られるは波をかぶりまくるはで散々な釣りになります。
散々な釣りで済めば良いですが高波にさらわれる危険が高いという事ですので、船長さんや船頭さんのいう事をよく聞いて無理な釣行はしないようにしましょう。また高波は天気予報でも知ることができます。
「うねり」とは高波の波長が伸びたもの
遠くで発生していた高波の波長が伸び、先端が尖りが抑まってきたものが「うねり」です。先端が丸くなったとはいえ「波」としてのエネルギーはほぼそのまま残っていることに注意が必要です。
船で「うねり」に遭遇すると船体が大きく持ち上げられたあとに叩きつけられるように降下するといった事になります。
船酔いにある程度強い方でも船酔いしてしまいますし、うねりが激しい時は船体が破損する可能性もあります。
高潮は低気圧が要因で発生するもの
高潮は低気圧の負圧によって吸い上げ効果で発生するものです。高波は表層付近の現象と言えますが、高潮はもっと深い層から盛り上げられる現象になります。
この発生原理から高潮のみでは大きな影響はないのですが、これに波の高さの要因が加わることによって大きな災害がおきたり釣りへの影響度が変わってくるという事になります。
低気圧の勢力が残っている圏内で波が高い場合は、特に磯などへ入る釣行では注意が必要です。
強風・暴風
強風や暴風があるという事は先にも述べた通り波が高いことも容易に予想できます。風だけの要因であれば釣り場によっては影響が少ない場所もあるかもしれませんが、基本的には釣りには適さない条件であると言えます。
暴風とは一般的に台風のことを指しますので当然釣行できませんが、春一番の場合は風向が「釣りに影響がないか?」、風速が「危険な範囲にないか?」ということをよく考える必要があります。
船や沖磯での釣りは波の高さと「うねり」に注意
高波や高潮と違って油断しがちなのが「うねり」です。
うねりは高波の余韻であることは先に説明しましたが、これにより釣り場の周辺は風も比較的穏やかで天候も良く、一見波も穏やかに見えるのに大きなうねりで海にさらわれるといった事が起きるためです。
また高波のように予報では表現されにくいという特性もあります。
特に磯に渡るときにはよく注意し、「うねり」があると感じた時は荷物を高い場所に置いたり釣り座を高い場所で構えるなどの対応が必要です。
河川の水量は河川・渓流釣りに直接影響
河川の水位が釣りに直接影響するのは分かり切っている事ですが、注意すべきはこれからどうなるかという事です。
特にウェーディングで河川内に入っている時に水位が上がり始めたら早く陸へ上がる等の対応をしなければ手遅れになる可能性もあります。
中洲へ入っている時などは水圧も感じないで安心してしまっているので尚のこと注意すべきですね。
事故防止のためダムの貯水量と上流域の降水量を確認
上記の河川の水量を更に強調して注意が必要な事です。
ダムの貯水量が満水でいつ放流してもおかしくない状況でダムがある地域に強い降水があると、釣りをしている現場の天気が良くともダムの放流により危険な状況に陥る可能性があります。
ダムの放流前にはサイレンや河川管理事務所からの何かしらの注意喚起があるでしょうが全ての場所や人に徹底できるとは限りません。
自分で状況をよく認識して釣りをし、ダムの地域の悪天候などの不安要素がある場合はこまめに情報を確認すべきです。
気温は魚より人への影響が大
この後説明しますが、気温に関しては大きな季節変化の気温でない限り海の中の生物がリアルタイムに気温の影響を受けることはありません。
また気温を確認する必要性は、ただ単に風邪をひきやすいといったものではない注意が必要です。
雪や氷の上で釣りをする方は当然気温を意識しますが、ちょっと寒い程度の環境で釣りをしている方は要注意です。
落水した事を考えても落水すること自体、相当な命の危機ですが気温が5℃を下回るような条件だと命に係わるリスクは相当高くなります。
ライフジャケットを装着しましょうね!
釣果に影響する天候等現象
これまでは主に事故防止の観点で確認すべき気象等について説明してきましたが次に釣果に影響する天気等のことについて説明します。
海水温は海の中の季節
海水温に大きく影響する要因は黒潮や親潮などの潮流です。地上では気温が季節変化の大きな要因ですが、海の中では気温が即座に海水温に影響することはありません。
しかし地上の季節もエルニーニョなどの海洋現象の影響を受けており、気温推移を左右する大きな地球の歯車の一つとなっています。
そして海の中も地上の季節の影響を受けており季節変化があるわけですが、イメージとしてよく言われてることは「海の中の季節は地上の季節の3ヶ月遅れ」という事です。
水温変化を厳密に見ていると疑問が出るかもしれません。
しかしこれは魚やイカが釣れる時期や海藻が繁茂する時期などを含めて見ていると何となく合っていることが分かってきます。
潮汐で魚の活性が変わる
潮汐で魚の活性が変わるという事は釣り人にとって常識といえることかもしれません。しかし常識を外れた釣果がでるのも釣りの面白いところです。
一般的に大潮では最高潮位と最低潮位の差が大きく、潮の流れが速いため魚の活性が上がります。しかしこれが好釣果につながるかというと一概にそうとは言えません。
いくつかの要因が考えられますが、潮の流れが速いために濁りが生じて魚が餌やルアーに気付き難いことや、魚の活性が上がっても潮の流れが速いことによる釣り難さもあると考えられます。
魚の活性と釣りやすさから言えば中潮が良いともいえます。逆に期待が落ちてしまうのは小潮ですが、釣り場によっては小潮の時に爆釣する穴場が存在することもあるでしょう。
私は三重県の菅島で若潮、長潮の時のサーフでシーバスとクロダイを爆釣したことがあります。ゆっくりと潮が流れている時間帯の「時合い」に運よく遭遇できたのでしょうね。
また干潮から満潮に向かう上げ潮の時に釣れる場所や魚種、満潮から干潮へ向かう下げ潮の時に釣れる場所や魚種など様々な研究要素があるのも釣りです。
一般論的な説明はしましたが、自分が得意な潮汐というのも出てきますので是非突き詰めてみて下さい。
月明かりで魚の行動範囲が変わる
月明かりという事から夜釣りの事になりますが、月明かりと街灯などの照明効果で魚の行動範囲が変わります。
満月のような月明かりの時は、魚は散ってしまって街灯などの集魚効果は薄れてしまいます。逆に新月などの月明かりが無い時期は街灯による集魚効果で魚が集まってきます。
厳密には魚の餌となるプランクトンなどが集まり、プランクトンを食べるベイトフィッシュが集まり、ベイトフィッシュを食べるフィッシュイーターが集まるという現象です。
また回遊魚やアオリイカなどは満月の大潮の時に大きな範囲を回遊すると言われています。
凪と濁りと潮汐と雲量は相互に影響する
先に説明した月明かりにも共通する事ですが日中の釣りを前提に説明します。
凪とは波も風も穏やかで海が静まり返ったような状況の事を言います。このような状況で海に濁りが無いと海の中の生物は警戒心を高め物陰に潜んでしまいます。
濁りは主に潮の流れで海底の生成物が巻き上げられて発生するものです。時には水潮と呼ばれる真水成分が濃くなることによってプランクトンが多く発生して濁ることもあります。
濁りが発生すると海の中の生物は警戒心が緩み比較的捕食行動を取りやすくなりますが、濁り過ぎると魚が餌やルアーに気付き難くなり釣果は悪くなります。
水が澄んでいて天気が良いと魚はまた警戒心が高くなります。釣り人の気配を感じやすくなるのでしょうね。
しかし水が澄んでいても雲が多いと晴天よりは釣果が出やすくなります。
このように潮汐による潮の流れと水の濁り、濁りと波風(凪)は相互に影響し合って釣果に複雑に影響します。
しかし釣り場へ通った経験を重ねていくと、釣り場に着いて海を見た瞬間にその日の釣果の想像が付いてくるようになります。
黒潮・親潮は海水温に大きく影響する
日本近海には太平洋側の黒潮と親潮、日本海側の対馬海流という大きな3つの海流の影響を大きく受けています。
特に太平洋側の暖かい海流である黒潮と冷たい海流である親潮の影響が大きく、日本の豊富な海産資源を育む要素になっています。
黒潮は南からの流れで大きく蛇行しており、蛇行具合によって日本本土へ近づいたり離れたりしています。親潮も同様ですが黒潮ほどの大きな蛇行はありません。
この黒潮と親潮の関係が日本近海、特に太平洋側の海水温を決定づけ、海の中の季節に変化をもたらしているものになります。
赤潮の発生は釣りにならない
赤潮が発生する原因は様々で現在でもはっきりと解明されていないということになりますが、ここでは釣りに影響する説明として簡単に紹介します。
赤潮はプランクトンが何らかの原因で大量発生したり、そのプランクトンの死骸であったりします。
この赤潮が大量発生するとプランクトンが魚のエラに大量に吸い込まれてエラを傷つけたり、エラでプランクトンが破壊された時に発生する粘膜が付着したりして魚が窒息死してしまうのです。
魚が大量に死ぬことにより更に海が汚染されてしまい、釣りどころではなくなるという事です。30年程前に比べれば対策の効果が表れてきており発生件数は1/3ほどに収まってきてはいますが現在も年に数回の発生が確認されています。
赤潮が発生したらニュースで取り上げられたり農林水産省のホームページでも情報提供があったりするので分かりますが、海で実際に目視すれば海が真っ赤になっていたり赤い帯が漂っていたりするのですぐに分かります。
潮目は魚が集まる好ポイント
先に黒潮と親潮の海流ということを紹介しました。暖流である黒潮と寒流である親潮のぶつかり合う境界も潮目ですが、潮目はごく局地的にも発生しています。
この潮目には様々な浮遊物が滞留する事によりプランクトンが多く発生したり、ベイトとなる小魚が身を隠す浮遊物が存在するため多くの生物が存在する可能性が高まっている事になります。
潮目は線状の境界線として海の色が変色していたり、白い泡のような線が緩やかな曲線となって浮遊しているので目視でも確認することが出来ます。
潮目は絶えず移動しているので潮目が近付いてきたら仕掛けを投入して探るのが釣り人の常識です。
船でシイラなどのトップで狙えるフィッシュイーターを狙う釣りではまず潮目を探し、潮目に滞留して浮遊しているゴミ(冷蔵庫などが浮かんでいることもあります!)があればそこを目掛けてポッパーなどをキャストすれば一発でシイラがヒットします。
シイラのキャスティングではゴミを先に見つけてキャストする早い者勝ち勝負という面白さがあるほど潮目はアツいポイントになるという事です。
釣りのための天気等情報を調べるには
これまで釣行や釣果に天気現象等がどのように影響するかを説明してきましたが、では具体的にどのようにして天気情報等を調べることが出来るかを紹介します。
天気予報アプリの活用方法と釣りでの注意点
最近では天気予報のアプリでかなりの精度での天気予報が確認できるようになりました。しかし釣り場となる海や山で更に局所的な天候変化があることに中止しなければいけません。
このために必ず確認する習慣をつけたいのが、雨雲レーダーを確認する事です。レーダーアメダスでも構いません。
雨雲レーダーは発射した電波の反射波の強度で雲の勢力を表示するものに実測の降水量及び数時間先の降水予報を色分けして表示したものです。色分けは1時間当たりの降水量が多いほど濃い赤で表示されます。
下の画像はYafoo!のものですが、ウェザーニューズなどの各種アプリでも同様の機能を無料で利用できます。
雷レーダーはレーダー反射波の強度による積乱雲の勢力から発雷の可能性を実際の観測及び予報で表示したものです。
こちらを確認するのも確実ですが、雨雲レーダーで濃い赤の表示になっている箇所はほぼこの積乱雲の雲として判断しても良いので発雷や竜巻も予期した判断を雨雲レーダー画面で行うようにしましょう。
便利な釣り専用アプリ
釣り専用アプリも色々なものがありますが、このタイドグラフBIがあればほぼ事足ります。
全国3000箇所以上の釣りポイントの天気予報、潮汐、波の高さ、雨雲レーダー、月齢など必要な情報はほぼこれで確認する事ができます。
海水温を調べる方法と活用法①
海水温は気象庁のホームページや海上保安庁のホームページで調べる事ができます。どちらも見やすいので好みの方で確認すると良いでしょう。
過去からの海水温変化をアニメーションで確認できるので推移を予測して釣行の参考にします。また衛星からの測温地図や黒潮の海流状況などもこのホームページで確認します。
海水温を調べる方法と活用法②
水産研究・教育機構の定点ブイによる海水温情報を使う方法もあります。
釣り場へ通い詰めている釣り人は関係する特定のブイの情報で自分なりの経験を持っており、「○○のブイが水温△△℃だから期待できる!」といった使い方をしています。
ダムの貯水量を調べる方法
ダムの貯水量は各自治体からも情報を出していますが、ウェザーニューズでもリアルタイムで全国のダムの貯水量を確認できるマップサイトがあります。
河川水位を調べる方法
河川の水位は防災のこともあり国土交通省のサイトでもYafoo!のサイトでも確認できるようになりました。
使い勝手はどちらも同じような感じなので好みのもので確認するのが良いでしょう。
まとめ
釣りは自分の予想に反して釣れたり釣れなかったりするもの。道具やテクニックよりも、狙った魚が居る居ないの判断や、魚の活性が高い低いを予測する精度が高いのが釣りの上手な人です。
釣果を予測して釣行することは大切ですが事故防止のために無理な判断をしないことが最も重要です。
この記事を読んで下さり、事故の防止と釣果アップに役立てて頂ければ幸いです。